心に響く逸品を

皆さん、こんにちは。
大徳美術店主の髙橋です。

季節の変わり目となりましたが、皆さまいかがお過ごしでしょうか。朝晩と日中の気温差もありますので、どうぞ体調の変化にはお気をつけください。

さて、先日、道の駅だったでしょうか。そこで、発泡スチロールの箱に入れられたカニを目にしました。

ズワイガニだったのか、タラバガニだったのか、はっきりとは覚えていません。ただ、脚を縛られ、箱の中に梱包されている姿が、なぜか私の心に引っかかったのです。

思えば海の底で脚を広げ、自由に歩き回っていたであろうカニたち。それが今は、狭い箱の中で身動きも取れない状態になっている。

その光景を見たとき、私はなんとも言い難い、少し悲しい気持ちになったのです。

こんなことを言うと、「もしかしてヴィーガンですか?」などと聞かれるかもしれません。

ですが、私はヴィーガンではありません。好きなものは食べますし、好き嫌いも無い方です。

ただ、目の前にあるものを見たとき、ふと何かを感じてしまう。そんなことがあるのです。

実は、こういった感覚は骨董品や古美術品にも通じるものがあると、私は考えております。

骨董品には、値段や希少性、作られた時代、作者の名前など、さまざまな価値があります。

もちろん、それらは品物を評価するうえで大切な要素です。

しかし、それだけでは語れない魅力もあります。

ひと目見た瞬間に「これが欲しい」と思う。
「この品物を自分の手元に置いておきたい」と感じる。理由はうまく説明できなくても、なぜか心が惹かれる。

私は、皆さまにそうした最初のインスピレーションを大切にしていただきたいと思っています。

誰かにとっては何気ない古い品物でも、別の誰かにとっては、いつまでも眺めていたくなる特別な逸品かもしれません。

そして、自分の心に響いて迎え入れた品物だからこそ、長い年月をともに過ごし、大切に受け継いでいけるのではないでしょうか。

骨董品や古美術品の魅力は、必ずしも高価なものや有名な作家の作品だけにあるわけではありません。

掛軸、茶道具、甲冑、武具、時代を感じさせる道具。

そのひとつひとつに、作られた時代の空気や、かつて所有していた方の思い、そして今日まで受け継がれてきた歴史があります。

そうした背景を知ることで、品物への愛着がさらに深まることもあります。

皆さまにも、ぜひ、ご自身の心に響く逸品と出会っていただきたいと思います。

そして、その品物を末永く大切にしていただけたら、骨董商としてこれほどうれしいことはありません。

大徳美術では、品物が持つ歴史や魅力を大切にしながら、一点一点と向き合っております。

ご自宅に眠っている古美術品や骨董品について、「これはどんな品物だろう」「大切にしてきた品を次の方へつなぎたい」と思われましたら、どうぞお気軽にご相談ください。

※ご来店される場合は事前にご連絡頂けると助かります。

お知らせ

前の記事

大徳棒、製作中です